季節のしつらえ — SEASONAL SETUP
茶の湯の一年は、火の置き方でふたつに分かれます。畳を切って火を客に近づける冬の「炉」、火を客から遠ざけて涼を演出する夏の「風炉」。しつらえも道具も、この二季で入れ替わります。
The tea year has two seasons: the sunken hearth (ro) of winter and the brazier (furo) of summer.
11月の「炉開き」は茶人の正月とも呼ばれ、5月の「初風炉」で夏のしつらえに替わります。
火を客から遠ざけ、涼しさを演出する夏の構え。風炉は敷板の上に据え、釜は小ぶりのものを掛けます。灰形(はいがた)を整えるのも亭主の仕事です。
畳を切った炉壇に五徳を据え、火を客に近づけて暖を分かち合う冬の構え。釜は大ぶりになり、湯の煮え音も豊かに響きます。
※配置は本勝手・運び点前の略式図です。炉の切り方(四畳半切・台目切など)や流派によって位置・向きは変わります。
| 炉(ろ) | 風炉(ふろ) | |
|---|---|---|
| 季節 | 11月〜4月(炉開きは11月) | 5月〜10月(初風炉は5月) |
| 火の位置 | 畳に切った炉壇。客に近く、暖かさを分かち合う | 点前畳の勝手付寄り。客から遠ざけて涼を演出 |
| 釜 | 大ぶりの釜。五徳に据える(釣釜・透木釜の変化も) | 小ぶりの釜。風炉に掛け、敷板の上に据える |
| 柄杓 | 合が大きい。切止は身(内)側を削ぐ | 合が小さい。切止は皮(外)側を削ぐ |
| 蓋置(竹) | 節が中ほどの「中節」を用いるのが一般的 | 節が上端の「天節」を用いるのが一般的 |
| 炭・香 | 炭は大きめ。香は練香、香合は陶器 | 炭は小さめ。香は白檀など、香合は漆器 |
| 心もち | 火を囲む暖かさ。侘びた深まりの季節 | 涼一味。水を主役にした爽やかさの季節 |
※蓋置の節の位置などは流派により習わしが異なります。お稽古の先生の教えを優先してください。
持ち物チェックリスト — CHECKLIST
薄茶の運び点前(棚を使わない基本の点前)を想定した道具一覧です。チェックを付けて、水屋の準備にお使いください。
棗に代えて茶入(仕覆に入れる)を用い、茶碗には格の高い一碗を選びます。客に茶碗を出す際は古帛紗・出し帛紗を添え、菓子は主菓子を先に。茶は一碗を数人で回し飲む「吸い茶」となります。