茶筅の個性を決めるいちばんの要素が「穂数(ほすう)」——竹を割った穂の本数です。少ないほど腰が強く、多いほどきめ細かく点ちます。
| 荒穂(16〜48本) | 穂が太く腰が強い。練るように点てる濃茶向き。 |
|---|---|
| 数穂(64〜72本) | 最も標準的。薄茶・濃茶どちらもこなす万能型で、最初の一本に。 |
| 八十本立 | 薄茶がきめ細かく点てやすい。稽古の定番。 |
| 百本立・百二十本立 | 穂が繊細で、ふんわりとした泡立ちに。初心者にも点てやすいが穂は折れやすい。 |
裏千家など
淡竹を晒した明るい竹。最も流通が多く、迷ったらまずこれ。裏千家では先が内に曲がった形を用いる。
市販の茶筅の大半は白竹。入手が容易。
表千家
古民家の囲炉裏の煙で百年燻された飴色の竹。表千家が好む。年々希少になっている。
本物の煤竹は高価。色付け品と区別を。
武者小路千家
黒竹とも呼ばれる自然の黒い竹。武者小路千家が用いる。締まった精悍な印象。
流派不問で見た目から選ぶ人も。
流派が決まっている方は竹の色を合わせるのが基本。決まっていなければ白竹の数穂〜八十本立が扱いやすい選択です。
国産茶筅のほぼすべては、奈良県生駒市高山で作られています。室町時代から五百年続く「茶筅の里」で、経済産業大臣指定の伝統的工芸品「高山茶筅」として知られます。一本の竹を小刀だけで百余りの穂に割り、湯で一本ずつ曲げる——すべて手仕事です。
海外産の安価な茶筅も流通していますが、穂の均一さ・耐久性・点てやすさには差があります。毎日使うなら高山茶筅がおすすめです。
茶筅は消耗品です。穂先が折れたり、開きが戻らなくなったら替えどき。使用後は湯ですすいで穂先を上に陰干しし、「くせ直し」に掛けると形が長持ちします。古い茶筅は5月の「茶筅供養」で労って手放す習わしもあります。
なお衛生上、実用の茶筅は新品を求めるのが基本です。茶筅の基本ページもあわせてどうぞ。